複合機器コンビネーション

測定効率を上げる一つに集約したシステム

密度比重計と屈折計の組合せシステム

様々なラボ環境で行われている屈折率と密度・比重の測定作業、その多くが定められている規格に沿って実施されています。

従来、同じ試料に対して屈折率と密度・比重を別々に測定していた環境を、組合せシステムでひとつに集約。1回の測定で屈折率と密度・比重を測定することで、大幅に測定効率を上げるソリューションを提案します。

初期導入コストを圧縮する集約されたインターフェイス

屈折計J457 の光学モジュールをケーブル1本で密度比重計に接続し、表示・操作します。

屈折計と密度比重計を単独で利用したい場合には、それぞれの操作画面を選択できます。屈折率の測定値を密度比重計に表示も可能です。

測定時間を短縮する一つにした注入と洗浄

測定で避けては通れない試料導入と測定後のクリーニング。

それぞれの装置の流路をチューブで接続すれば、1回のインジェクションで測定し、その後の排出からクリーニングまでを1度で終えられます。

データ参照時間を削減するまとめられた測定結果

屈折率と密度・比重のデータをまとめて取得し画面に表示。

1 つのデータファイルにそれぞれの測定値を保存することで、同じ試料のデータを別々に探したり、参照したりする手間がなくなります。また、データ処理時に引き起こされるヒューマンエラーも防ぎます。

4種類の機器構成

1. 基本構成:密度比重計と屈折計光学モジュール

密度比重計DDMシリーズと屈折計J457 の光学モジュールを組合せ、それぞれ単体で使用します。

屈折計の光学モジュールは、ケーブル1本で密度比重計と接続され、電源供給から制御、屈折計のソフトウェアを共有できます。設置スペースと機器の初期導入コストを大幅に圧縮に役立ちます。

最適なアプリケーション例

試料溶液量が少ない

試料溶液量が2mlくらいで溶液をフローさせる程はない場合、密度比重計に対してシリンジ導入を行い、排出時のサンプルを回収して屈折計の測定に利用することで、最も試料消費量を抑えて測定できます。

溶液量は多いが高粘性のためフローできない

粘性の高い試料や加温しないと流動体とならない試料の場合、個別に測定することで試料導入から測定後のクリーニングをより確実に行うことができ、コンタミネーションを防ぐことができます。

ときどき同一試料を両器機で測定したい

日常的には個別に装置を使用する場合でも設置スペースを有効に利用できます。

必要に応じて両機器で同時測定する場合は、試料導入後、密度比重計のインターフェイスにそれぞれの測定値を得ることが可能で、測定結果はひとつのデータファイルにそれぞれの測定値が保存されます。

2. フロースルー(手動方式):密度比重計と屈折計光学モジュール(DP)

上の1と同様の基本構成ですが、屈折計の光学モジュールには専用のスタンドおよびフロースルーに対応する DP (Dual Purpose) Pressor を採用しています。

図A のようにチューブで各機器を接続ができ、シリンジ注入により両機器へ試料溶液が導入されます。同時に洗浄もでき(図A 右)利便性が上がります。試料の状態や目的により、図B のようにスタンドを倒し、DP Pressor のキャップおよび配管を取り外せば滴下試料にも対応できます。

図A. シリンジ注入で一度に両機器へ試料を導入

DP Pressor は簡単に取付け、取外しせるのでメンテナンス性も抜群。フロースルーモードでのクリーニングは、密度比重計の乾燥空気を利用し、両機器を洗浄・乾燥します。

図B. マニュアルモードで屈折計へ試料を滴下

試料溶液の物性によりフローが困難な場合は、マニュアル滴下モードに切替えて測定できます。屈折計のみの利用時も同様に切替えて、滴下により測定可能です。

最適なアプリケーション例

将来的にオートメーションサンプラーの拡張予定がある

DP Pressorは、フロースルー環境を簡単かつ利便性よく切替えられ、メンテナンス性にも優れています。

将来的に更なる効率化を視野に入れているアプリケーションには、将来性や利便性と基本を抑えたこのシステム構成が最適です。

ときどき個別測定試料の依頼がある

多種多様な試料を取り扱う環境では、日頃のルーティン測定に加えて様々な依頼に速やかに応える必要があります。

試料導入の方法を簡単に切替えられるので、個別の測定依頼にも対応しやすいです。また、フロースルーの経路のメンテナンス頻度が多いアプリケーションにも有効です。

揮発性の高い試料の取り扱いが多い

揮発性試料の測定は一般的に通常の屈折計では測定が難しく、試料の取扱いに注意が必要です。

シリンジ導入では密閉空間へ試料溶液が導入され、再現性よく測定が可能です。同様に沸点の低い試料にも適しています。

3. フロースルー (ペリスタックポンプ):密度比重計と屈折計光学モジュール(DP)

上の1、2と同様の基本構成ですが、密度比重計にペリスタリックポンプを搭載することで、試料溶液の吸引導入を自動化します。

試料容器にチューブを挿入し、密度比重計のスタートボタンを押すと自動的に試料溶液を送液し、試料導入が完了します。

最適なアプリケーション例

主に粘性の低い試料を測定

特に飲料など水溶液系を中心とする測定を主に行うアプリケーションに最適です。

同じ系統の試料で多くの検体数を処理する

試料量50ml 程度が必要となりますが、共洗いによる同系統の検体をスピーディーに効率よく処理できます。

4. フロースルー (ESC):密度比重計、屈折計光学モジュール(DP)、ESCサンプラー

ECS( Easy Clean & Sampling) は、各機器と組合せられるシングルサンプラーです。本構成は、ECS と密度比重計、屈折計を組合せて自動サンプリングと自動クリーニングを行うシステムです。

手順は3の内蔵ポンプシステムと同様で、試料容器へプローブを挿入し、密度比重計からスタートボタンを押します。測定終了後に
プローブを廃液コンテナへ戻すと、排出・クリーニングから乾燥までを自動的に完了します。

最適なアプリケーション例

小ロットを頻繁に取り扱う

完全自動の多検体オートサンプラーを使用するほどの測定環境ではなく、効率よく自動化を目的とされている環境に最適です。

多様かつ試料ごとに物性も異なる環境

扱う検体の種類が多く、その物性もそれぞれ異なる試料の場合は、クリーニングから乾燥までを確実に完了するシステムは安全です。