液体の密度・比重、屈折率やBrixを正確に測定するうえで最も重要な要素となるのが、サンプル溶液の温度制御です。
従来のハンドヘルド型やポータブル型の密度計・屈折計は多くの種類が存在しますが、そのほとんどは環境温度に依存しており、温度制御ができないという課題がありました。そのため、測定結果は過去の実績や経験値に基づいて判断されるケースが多く、精度が求められる場合にはサンプルを採取してラボに持ち帰り、再測定する必要がありました。
ルドルフ社はこの問題を解決するため、新たにペルチェ方式による温度制御を搭載した密度計DDM29と屈折計J27を開発。サンプルを現場でそのまま、ラボ同等の精度で測定できる革新的なソリューションです。
これにより、従来の不便さや誤差のリスクを解消し、ハンドヘルドでありながらラボ精度を提供。現場での迅速かつ信頼性の高い測定を可能にしました。
DDM29及びJ27 は、専用Li-ionバッテリーで動作します。充電は専用ドックを利用し、約2時間でフル充電可能。フル充電後は高負荷の状態で4時間、通常測定では6-8時間稼働します(使用環境により変動)。
また、内蔵バッテリーではなく着脱式バッテリーを採用しているため、メンテナンス性に優れ複数のバッテリーを利用することで機動力がさらに向上します。本体はバッテリーを装着した状態でも約1.6kgと、一般的なラップトップPCと同等。持ち運びも苦になりません。
現場でのあらゆる液体の濃度管理や工程管理を、より正確かつ素早く測定できます。
7インチのフルカラータッチパネルには、視認性に優れた直感的なGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)を採用。基本OSにAndroidを搭載しているため、スマートフォンのようにスムーズで分かりやすい操作感を実現しました。
Wi-FiやBluetoothにも対応しており、現場から社内ネットワークを通じて測定データの転送や印刷が可能。スマートデバイスと同様の快適さで業務効率を高めます。
さらに、日本語をはじめとした多言語インターフェイスを標準搭載。ソフトウェアで簡単に切り替えできるため、日本国内はもちろん、海外拠点でもそのままご利用いただけます。
表示分解能は、小数点以下4桁まで実現しました。温度制御機能と組み合わせることで、サンプリングした試料を安定した条件下で測定でき、ラボレベルに匹敵する精度を現場でそのまま再現できます。
装置タイプ | DDM29 密度比重計 | J27 屈折計 |
測定範囲 | 0-3g/cm3 | 1.3-1.7 RI |
測定精度 | ±0.0005g/cm3 | ±0.0001 |
測定再現性 | ±0.0003g/cm3 | ±0.0001 |
温度制御 | 20/25℃ | 20/25℃ |