日本薬局方には、操作方法について以下のとおり記載されています。
屈折率の測定には、通例、アッベ屈折計を用い、医薬品各条に規定する温度の±0.2°Cの範囲内で行う。アッべ屈折計では白色光を用いてnDを直接読むことができ、測定のできるnDの範囲は1.3~1.7、精度は0.0002である。
引用元:2.45 屈折率測定方 第17局
あくまでも「通例としてアッベ屈折計を用い」とされいます。ルドルフ社が提供するJシリーズ屈折計では、規定される測定範囲及び測定精度、温度精度ともに、より精度が高い装置を提供しておりますので安心して導入いただけます。
デジタル式屈折計の普及は1990年代後半からと比較的近年であり、日本薬局方原案が制定される当時には普及していなかった時代背景があると解釈できます。
局方が求める要件 | Jシリーズ屈折計 | |
屈折率範囲 | 1.3~1.7 | 1.26~1.72 |
測定精度 | 0.0002 | 0.0001(J257) / 0.00002(J357) |
温度精度 | ±0.2℃ | ±0.01℃ |
屈折計の最も重要なポイントは、心臓部であるプリズム(サンプルエリア)表面をどれだけ簡単に、確実に、クリーニングできるかどうかです。
ルドルフ社Jシリーズ屈折計だけの特徴でもあるウルトラ フラット プリズムは、フラット構造で必要試料容量はわずか1ml程度、測定終了後は、簡単に拭き取り洗浄できます。
ほぼフラットな形状のサンプルエリアは、高い粘性の試料も素早くクリーニングできます。また、ほとんどの溶剤に耐久性があり、アセトン洗浄も可能です。
一部他社製品ではサンプルエリア結晶に YAG (イットリウムアルミニウム ガーネット)を採用しています。YAG 結晶は、サファイアガラス結晶によりも硬度が低く、傷つきやすいとされています。また、熱伝導率も低く、正確な屈折率を得るには温度安定までの時間が長くなります。
ルドルフ社Jシリーズ屈折計は、製品ラインナップ全てにサファイアガラスを採用しており、クリーニングに使用する紙製品も選びません。一般的にラボで使用されているクリーニングペーパーでサッと拭いて、次の測定に移れます。
ルドルフ社のJ257やJ357は、上部プレッサーにも温度制御機能を採用しており、温度制御のスピードと試料温度の平衡化までの時間が早く、高い測定効率もとても喜ばれている機能です。
反面、市販されている多くのデジタル屈折計のサンプルエリアは、右図のように測定結晶面から立ち上がる面の傾斜がきつく、深いものがほとんどです。試料溶液を保持するための構造ではありますが、クリーニングには手間がかかり、繰り返し慎重な洗浄を要求されます。
また、深いサンプルエリアは温度制御にも注意を払わなければいけません。測定結晶面と距離がある試料溶液の表面では温度差ができ、高精度の測定値や再現性のよい値を得るのは容易ではありません。
機器の導入後、運用には日常点検は欠かせません。ルドルフ社が提供する校正用標準溶液は、商品ラインナップが豊富で、アプリケーションに合わせて使用頻度の高い屈折率で精度を管理できます。
複数の屈折率ポイントおよび温度制御の確認も可能な校正用標準溶液をそろえた5本でのバリデーションキットも販売しております。
商品ラインナップは こちらのページ をご覧ください。
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